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コロナ禍の中でも、手紙で繋げた隠岐の島町とクロトシン市 ~学校交流プロジェクト「文通」について~

皆さん、隠岐の島町はポーランドに友好都市があるということを知っていますか?それはヴィエルコポルスカ南部に位置しているクロトシン市です。ポーランド相撲連盟の本部があるので、相撲をきっかけに隠岐の島町との交流が始まり、2016年に友好都市となりました。その時からの交流は盛んであり、相撲以外の分野にも交流を広げています。例えば、クロトシン市でちぎり絵ワークショップ、隠岐の島町で「ポーランドフェスティバル」、互いの訪問に際して、訪問者の文化を紹介したイベントは開催されました。また、2018年から実施している文通プロジェクトで、クロトシン市第1小学校と五箇中学生は、手紙を交換しました。将来的に、経済を通した交流についての話しもありました。



 そんな中2020年には、コロナ禍が来ました。今までの生活様式は、あっという間に一転したし、「外出自粛」や「緊急事態制限」などはキーワードになってから、様々な事業が中止か延期されました。また、海外に出ることは難しくなり、日本への入国制限で向こうからゲストの受け入れも、多くの場合、一時的に不可能です。このような中で、クロトシン市との友好都市交流事業が続くのだろうか、とても心配がありました。


 しかし、意志あるところに道は開けます。直接に会えなくても、遠く離れている相手と一緒にできることはまだあります。そのため、コロナ禍の中でも文通プロジェクトは実施されて、無事に終了しました。ただし、今回は例年通りと例年にないことがありました。


 例年通りのことと言えば、生徒たちは3通の手紙を交換できました。その内容は、①自己紹介、②クリスマスか年末の過ごし方、③住んでいる町の魅力の紹介でした。手紙の言語は英語です。日本語またはポーランド語を母国語として話しているプロジェクトの参加者は、学校で外国語として英語を学んでいるからです。


 それに対して例年にないことは、手紙の形式と送る方法です。今回は、隠岐の島町の中学生は自筆したものを作成していましが、クロトシン市側の生徒はメッセージをパソコンで打っていました。新型コロナウィルス感染状況の関係で、自宅でインターネットを利用して遠隔学習を続いているクロトシン市の生徒たちは、Eメールで送信が可能なことしか提出と受け取りができないからです。このようなことから、隠岐の島町の中学生が自筆した手紙はスキャンしたものを向こうへ送信し、向こうから送られたメッセージは印刷されて各中学校へ届けられました。

中学生からの葉書

 ただ、隠岐の島町から3通目の手紙は、スキャンを送った後、封筒にまとめて郵送もしました。きれいなはがきに書いてありましたので、向こうの生徒にすぐ配付はできなくても、第1小学校でそれを展示するかもしれないからです。


 また、嬉しいことに、今回の参加人数は今までで一番多くなりました。「交流の場を広げよう」の考え方で、1校だけではなく、隠岐の島町内の4中学校を対象にしました。その結果、都万中、西郷中、五箇中から54人の生徒と、彼らの文通相手になった向こうの学校から54人の生徒、つまり隠岐の島町・クロトシン市間で108人の生徒は手紙を交換しました。


 このような手紙の交換は、大きな取り組みでないように思えますが、実際には様々な成果を得ることがきています。英語教育への支援はもちろんのこと、異文化への理解などを深めています。その上、コロナ禍の中でも、友好都市間の若者に直接に交流できるチャンスをもたらしています。


 このように手紙を通して、コロナ禍の中でも隠岐の島町は、クロトシン市との友好関係をさらに深めます。そして、また無事に会える時に改めて様々な分野での交流を楽しみにしています。


筆者:イザベラ

写真:イザベラ撮影

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