「祭り」と言えば、日本でもアメリカでも数多いものが開催されていますが、そのきっかけが同じとは言えません。例えば、桜の木はアメリカであまり見られないので、四月に花見をすることは普通ではありません。それに対して、コンサートかステートフェア(農産物品評価会)などの大イベント以外、地域の人たちによって開催されていて、地元の特色を祝う行事はアメリカ全国でよくあります。隠岐で言うと、牛突き大会はそのような行事だと思います。そして私の故郷、オハイオ州マンチュア村では、住民が行事で祝う地元の自慢は、ジャガイモです。
なぜなら、マンチュア村はジャガイモの産地として知られています。それをきっかけにした住民は毎年9月に、3日間を渡った、ジャガイモを材料とした料理や題材としたゲームの満足いっぱいの「ジャガイモ祭」を開催します。ゲームと言えば、14キロの「ジャガイモ踏み競走」はその一つです。競走のスタートとフィニッシュラインは、地面に書いた線ではなく、地面に落としたポテトチップスで示していますので、雨の日に超滑りやすいです!他には、「ジャガイモ袋競走」と呼ばれた子ども向けの競走もあります。それに出ている人たちは普通に走るのではなく、ジャガイモ袋に入ったままフィニッシュラインまでジャンプします。ちなみに、このようなたわいもない競争はマンチュア村だけではなく、全国で子どもに楽しまれたゲームです。
しかし、最も人気で変なゲームは「マッシュポテトレスリング」というゲームです。その準備としてリンクの床はマッシュポテトに覆われていることから、レスラーの2人はマッシュポテトまみれで格闘します。ジャガイモが汚れるのでもったいないですが、見るのはとても楽しいです。
今まではゲームばかりの話ですので、「ジャガイモ祭」の時にジャガイモを材料とした料理が出るかと思っている人はいるかもしれません。もちろん、ちゃんと出ます。焼きジャガイモやフライドポテト、マッシュポテトなどの馴染みのあるものはありますが、ジャガイモたっぷりのピザもあります。とてもおいしいです。また、ジャガイモに詰めた水餃子のようなピエロギと言うポーランド料理もあります。
また、3年前の「ジャガイモ祭」の時に、マンチュア村の人たちは世界最大のピエロギのギネス記録を破ることを目標にしました。そのため、こねた生地とジャガイモを大量に集めて、ピエロギを作り始めました。ジャガイモをつぶすこと、生地を伸ばすこと、マッシュポテトを中に詰めることなど何時間もかかりましたが、完成品は90キロ以上の世界最大でした。
夕方になって、地元バンドによるライブ演奏はあり、住民の中から選ばれた女性の一人はジャガイモ王位に就かせます。マンチュア村の「ジャガイモ祭」はちょっと変わったものの、魅力のあるイベントです。皆と一緒になって、ジャガイモへの熱い思いを通して地域のことを楽しく祝うからです。この先、アメリカのオハイオ州の旅行を考えれば、マンチュア村の「ジャガイモ祭」にもぜひ!
*上の左から:
・ジャガイモを材料としたピザ(が違和感をさせない!)
・世界最大のピエロギの調理作業
・世界最大のピエロギの完成品
・「ジャガイモ・クイーン」(ジャガイモ際の王位に就かせた女性)
筆者:デイブ(外国語指導助手、アメリカ出身)
翻訳:イザベラ
写真:マンチュア村ジャガイモ際実行委員会(寄稿)
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