日本の秋には魅力が色々あります。名月の下で月見団子を食べることから、紅葉した景色の観賞まで、生活に潤いをもたらす楽しみが豊富な季節ですね。ポーランドにも四季がありますので、夏は終わって秋が来ますが、この季節のイメージや魅力は日本と同じではありません。今回は、葉っぱが紅色になりつつあるこの季節に、私の母国の黄金の秋について紹介したいと思います。
まず、どうしてポーランドの秋は「黄金」と言われるのでしょうか?それは、ポーランド人の一般的なイメージでは、秋に彩った葉っぱは赤くなく、黄色のイメージで、葉っぱの色はどんどん変わっていく時期の天候とも関係があります。9月と10月には、気温は20度未満なのにまだ寒くはないし、晴れた日が多いので、日光を浴びた紅葉で見渡す限りの景色は黄金となります。そのため、9月~10月の時期をポーランド語で「黄金の秋」と呼んでいます。
このような景色の中で、野外で過ごすのはこの季節の大きな楽しみです。市内なら公園での散歩、郊外なら森への半日旅、双方に魅力があります。公園の場合、きれいな落ち葉を集めて束にすることや、どんぐりとクリを取って家に持ち帰ることがよくあります。ポーランドに見られるクリは食べられる種類ではありませんので、散歩から持ち帰ったものは子どもたちが秋の飾り物にします。森への半日旅はきのこ狩りにピッタリです。日本ではあまり目にしないポーランドのきのこ、アンズタケ、ヤマドリタケ、アカハツタケなどを集めてすぐおいしく調理している人たちもいますが、秋のうちにちゃんと干してクリスマスイブの伝統的な料理の材料にすることも多いです。大昔から食材として大事にされているきのこを狩る作業自体はポーランド文化に深く根付いている習慣であり、それに関して「森は特別な空間であり、きのこには不思議な力がある」という迷信には、由来がある暗黙のルールも多かったです。例えば、「きのこ狩りは朝早くから一人だけでやるべきことだ」という言い伝えがありますが、この言い伝えには、「一緒に複数の人が森にいれば、きのこが恥ずかしがって人から隠してしまう」という暗黙のルールがあります。現在は、雨の日の後、家族と一緒に(必ず)枝編みの籠を持って森へ行くのはよくあることです。
きのこの他、この季節の恵みはまだたくさんあります。プルーンや西洋梨、クルミなどのナッツの種類は秋に熟したものだからです。それらの果物を缶詰めまたはジャムにしたり、ナッツの食べきれなかったものを干したりして、秋のうちに寒くて長い冬への準備を始めます。
ポーランドの「黄金の秋」はこのような季節です。いつか将来、その魅力を味わえるポーランドへ行ってみませんか?
筆者:イザベラ写真1~3:Wikimedia Commons
写真4:イザベラ(撮影)
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